学会が終わってから早1週間…
備忘録として内容を書こうと思っていたけど
ブログを更新するって大変(笑)
第9回プライマリ・ケア連合学会学術大会~午後~
前回に引き続き、学会の備忘録です。
写真は会場にあったモニュメントです。
天才の考えることはよく分かりません。
今回初めて三重県に足を踏み入れましたが、次に来るのはいつになるだろうか…
プライマリケアにおける小児食物アレルギーのみかた
午後は小児の食物アレルギーに関するグループワークに参加してみました。
こちらではさほど大きくない実習室で6グループに分かれてグループワークのあと講義をして頂きました。
食物アレルギーに関する症例3つをグループで話し合い発表するというもの
グループに薬剤師は私一人…
医師に囲まれながらのグループワークでした…
そして、症例1の発表を私がやることに…Σ(゚д゚lll)事なきを得ましたが
グループには医学生を含む医師7名だったのですが、プライマリケアに関わる医師の皆さまは皆寛大で、関わっていると世の中の医師の先生方は皆こんな雰囲気に変わったのかと思ってしまいます(^_^;)
ざっくり症例を書いていきます
症例①
生後11か月の男児 離乳食でパン粥をあげたら、顔が真っ赤に腫れた。アレルギーでしょうか?
解答
食物アレルギーの診断は次の二点を証明することで確定する
①特定の食事により症状が誘発されること
②それが特異的IgE抗体など免疫学的機序を介すること
IgE依存性反応の多くはアレルゲン暴露から症状誘発までが2時間以内に進展する即時型反応に相当する
何をどれだけ食べてどの程度時間が経っているかを確認する!
ちなみに臓器別の症状出現頻度では
皮膚⇒92%のため約10%程度は皮膚の症状がないことがある
症例②
1歳2か月の女児 湿疹がなかなかよくならないため、抗原検査をしました。どう指導しますか?
抗原検査の結果は
卵白と卵黄、牛乳がクラス2
カゼインとグルテン、オボムコイドがクラス1
※オボムコイドとは卵白アレルギーの1種で、熱や化学処理に対して安定⇒陽性だと加熱卵でも反応する可能性が高くなる
解答
血液検査をどう解釈するか。
抗原特異IgE抗体検査
①陽性と食物アレルギー症状が必ずしも一致しないことを念頭
②食物ー食物、食物ー環境抗原間での交差抗原性の理解が重要
③測定として3つの検査が行われている
④3つの検査によって鶏卵の結果が異なる
症例③
7歳の男児 元々牛乳アレルギーがあり、給食を食べ終わったあと運動をしていたら、体が痒くなったと言って保健室に行きました。その後、学校の先生に連れられて受診。
エピペン、抗ヒスタミン剤の頓服持参あり
バイタルに大きな異常はないが、少し声が枯れているという
どう対応しますか?
解答
アナフィラキシーの重症度評価を確認すると
皮膚の症状が全身的に出ていてもグレード2
呼吸器症状で嗄声(声がれ)が出ているとグレード3
このため今回の症例はグレード3(重症)のアナフィラキシーショックとみなしてエピペン適応となる。(但し、病院・クリニックまで診察に来た場合はアドレナリンを点滴)
また本来、保健室の状態で電話連絡をしてもらい、保健室でエピペンを使用してもらうように日頃から説明しておく必要があるかもしれません。
Take Home Message
☆「何を、どれだけ食べて、どれくらい時間が経ってから、どんな症状がみられたか。」
☆血液検査の結果を正しく評価しよう。
☆迷ったらエピペン。
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