包括性からの臨床推論
まずは午前の前半の内容
大西先生と矢吹先生の講演です。
今まで臨床推論のジャンルでは、単独で行う内容が多かったのですが、
今回の内容は包括性ということでチームで診断するということが大切だという内容でした。
例では看護師が臨床推論に加わる話でしたが、他の職種が置き換わることも重要かと思います。
今まで薬剤師が診断することはご法度のような印象でしたが、在宅現場ではもちろん、外来のカウンター業務でも患者さんをよく診て、判断して、医師と連携することが重要なのだろうなと思います。
そしてこのような判断や提案ができる薬剤師が重宝され、それ以外の薬剤師は徐々に肩身の狭い環境になっていくような未来が予測されます。
そのためにも知識や経験、コミュニケーション能力を日々磨かなければならないと気が引き締まりました!
☆キーワード☆
①共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)
・チームで診断するということ
・医師が個人で独立して診断することの危険性
・理想的には、複数の医療従事者・患者・患者の家族で協力して診断に臨むべき
・チームワークには、共通の目標・明確な役割・相互信頼・効果的なコミュニケーション・測定可能なアウトカムというチームベースケアが不可欠
・チームワークを高めることは診断を改善し、診断ミスを減らす可能性が高い
②価値に基づく診療(Values-based practice:VBP)
・患者、医療者の両者の価値に焦点を当てつつ、議論を進めるための方法論
・NBM(narrative-based medicine)、臨床倫理やプロフェッショナリズムといった分野を包含し、コミュニケーション技法を重要なスキルとして位置づけ、治療やマネジメントに関する臨床推論にも適応可能
・EBM(evidence-based medicine)を重要なパートナーとし、VBPはその補完的な方法論に位置づけている
VBPに関しては大西先生が書籍を出版されているようです。
③省察的実践家
確固たる固定的な知識・技能を十分修得しながらも、そこにとどまるのではなく、改変したり組み合わせたりしながら、その時々の状況に応じて最善の打開策を見出していく実践のこと
⇒予期せず出来事を認識できる能力
こどものけいれんをしっかり診る!”その対応、その説明、保護者を不安にさせていませんか?”
次に午前の後半の内容です
狭い会場で遅めに着いたら、満席で後ろの方で立ち見でしたー
狭い会場の講演の時は特に早めに席を確保する必要がありますね。
前回も狭い会場で入れないことがあったな…
宮本先生の講演です。
小児期、特に1歳から3歳までは生涯で最もけいれんを起こしやすい時期で本邦では約10%が5歳までに何らかのけいれんを経験すると報告がある。
小児のけいれんは、多くが熱性けいれんを含む良性の状況関連発作(機械性けいれん)であり、経過観察のみで良好な予後が期待できる。
緊急性が高い、脳器質病変などのけいれん(SOSけいれん)を見逃さないように気をつける。
けいれんを起こさないてんかんもあることを知る
大塚製薬がてんかんのムービーを作っているので、確認しておくと良い。
複雑部分発作、ミオクロニー発作、欠神発作
熱性けいれん(機会性けいれん)とてんかんは違うもの?
⇒特定の誘因によってのみ発作が誘発される体質を持った人を、てんかんと差別するために専門家が作った分類。どちらにせよ、体質によって起こるもの
救急診療現場において重要なのは
SOSけいれんか否かの鑑別
⇒児がけいれん後、元の状態に戻ったか否かの確認が最も重要!
⇒意識状態に影響を与えうる薬剤は極力さけて頂きたい!
(ダイアップを用いたことで意識混濁が遅延し、頭部CTや腰椎穿刺が必要だとすれば大きな副作用だと考えられるためダイアップは使わない方が…)
小児のけいれん性疾患 家族への説明としては…
・発作時に大事なことは慌てないこと!
・横向き(首を横向き)にして静かに寝かせる!
・しっかり観察する!
・5分以上続けば救急車を呼ぶ(特殊な状況で緊急使用薬があれば使用する)
・短時間で静止した場合は、元の状態に戻るか否か十分に観察する(元に戻らない場合は病院を受診する)
・発作時はSOSけいれんか否かの鑑別が最も重要
・発作が短時間で静止するか?発作後に元の状態に回復しているか否か?を確認する
・元の状況に戻りさえすれば緊急性はない
・SOSけいれんの場合には原疾患の治療が最優先される場合が多い
・SOSけいれんではないと判断したら、まず発育発達に異常がないことを確認!発育発達に異常があれば小児神経科医に相談
・発育発達に異常がなければ、ほとんどは熱性けいれんを代表とする良性機会性けいれんで特別な治療は必要としない、大人になれば自然に治る
・発育発達に異常がなければ、てんかんであったとしても、予後良好な素因性てんかんで薬でほとんどのこどもが抑制可能、大人になれば自然に治る、素因性てんかんと良性機会性てんかんは類似の病態であり、鑑別の意義は低い(脳波検査は不要)
・基本的には他児と同じ活動が可能
・明らかな発作の誘因がある児については、誘因を避ける
・誘因の有無に関わらず、寝不足は強力な発作の誘因である!
・高所・水中での活動、交通事故への注意などは必要(発作が起きたときに危険な状況は避ける)
・特定の運動がてんかんを誘発することは、(基本的には)ない!
・受け身を取れない事が危険に繋がる格闘技(ラグビー、柔道など)では一定の注意が必要
・小児のてんかんは治る疾患であり、心身の健全な発達に運動経験は極めて重要である(必要以上の警戒は本人のモチベーションに悪影響を与える)
ちなみに宮本先生は6月19日に書籍を発売されるそうです。
今回の内容は大体この本に書いてあるとのことでした。
初日終了後
駅に向かうシャトルバスは激混みだったため、約30分かけて徒歩で宿がある津駅へ移動
晩御飯にうなぎと食べようとしたら
ひと休みしてうなぎ食べに来たら売り切れ(´;ω;`) pic.twitter.com/lYD3cMoT6d
— こつぶ@プライマリー・ケア薬剤師支援 (@cotsubu19) 2018年6月16日
諦めきれず、上のお店の本店が近くにあるということで向かうと…
本店が少し歩いたところにあるから来てみたら…(´・ω・`) pic.twitter.com/90FlZGDuSg
— こつぶ@プライマリー・ケア薬剤師支援 (@cotsubu19) 2018年6月16日
暗かった…(´・ω・`)
しょうがなく、晩御飯はラーメンと津餃子を頂きました
結局ラーメンと津ぎょうざを食す pic.twitter.com/mqOsrPifbH
— こつぶ@プライマリー・ケア薬剤師支援 (@cotsubu19) 2018年6月16日
それでは明日の二日目も朝から講演を聞こうと思うので、今日はこの辺で寝たいと思います。
お疲れ様でしたー
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